②収益還元法(初心者編)

2021年02月28日(日)

②収益還元法(初心者編)

 

 

収益還元法とは将来、不動産が生み出す収益力に基づいて不動産の価値を決定する方法です。


更に収益還元法は2つがあります。

 

1.直接還元法

 

 

算定式・・・収益還元価格(不動産の価格)=年間利益(年間家賃収入から管理費、税金等の経費を除いた価格)÷還元利回り(物件周辺の平均実質利回り)


こちらの方がポピュラーです。経費は物件によりますが、おおよそ家賃収入の20~30%位が目安。

 

2.DCF法(ディスカウントキャッシュフロー)

 

 

不動産を保有している期間中に得られる純利益と、売却によって得られると予測される価格を現在価格に割り戻して合計する方法です。

DCF法は資産価値評価に時間軸という概念が考慮されている点が特徴で、現在の資金と将来の資金とでは価値が違うという事に着目されて居る考え方です。

直接還元法に比べ算出方法が少し複雑になるが、その分精度の高い評価が可能です。

長期保有する収益物件を評価する場合や空室が多い低稼働物件(現時点でリスク有)の評価する場合に用いられる事が多い。


算定式・・・年間純利益の現在の価値+将来の売却価格の現在の価値

※計算式が複雑なため割愛します。興味がある方は検索すれば計算式が出てきます。)

 

 

 

収益還元価格と積算価格の差(ケーススタディ)

 

 

収益還元価格>積算価格

 

こういう図式になるのは都心エリアで土地が狭く建物の築年数が古いアパートなどに比較的に多くなる。


例)中古木造アパート・土地面積80㎡・路線価50万・築30年・8世帯(1部屋6万)、年間諸経費100万、還元利回り5%の場合

 

収益還元価格・・・(576万ー100万)÷0.05=9,520万


積算価格・・・土地4,000万+建物0円=4,000万

 

 

 


積算価格>収益還元価格


こういう図式になるのは郊外や地方で土地万隻が広い物件の場合に多くなる。


例)中古木造アパート・土地面積800㎡・路線価10万・築30年・8世帯(1部屋3万)、年間諸経費100万、還元利回り10%の場合

 

収益還元価格・・・(288万ー100万)÷0.10=1,880万


積算価格・・・土地8,000万+建物0円=8,000万

 

 

 

まとめ

 

 

取引銀行が収益還元法を重要視するのか?積算評価法を重要視するのか?により借入額が大きく変わってきます。

 

逆に言えば取引希望の銀行で評価が出ればそれは投資対象になる物件といも言えます。

 

いくら物件を気に入っても現金で購入出来る方を除き、ほとんどの方は融資に頼らないと購入できませんので、先ずは取引希望の銀行の融資目線の把握が非常に重要になります。


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