①積算評価法(初心者編)

2021年02月15日(月)

①積算評価法

  • 不動産の評価法として①積算評価法②収益還元法③取引事例比較法の3つ挙げられますが今回はその中の積算評価法の解説になります。

  • ①積算評価法は現在の価値

 

 

  • ②収益還元法は将来の価値

 

 

  • ③取引事例比較法は過去の価値をみるもの。

 

  • 積算評価法は対象不動産の担保価値をみるものとなります。

  • 土地と建物の積算評価額を合算して現在の価値を案出する方法です。
    尚、将来の収益等は反映しておりません。

  • 銀行にもよるが融資額は積算価格の概ね80%前後の場合が多いです。
  • 計算方法

    積算評価法=土地評価+建物評価

 

 

  • 土地評価額=路線価×土地面積(×個別補正)

 

 

  • 建物評価額=再調達価格×建物延床面積×(耐用年数ー築年数)/耐用年数

 

 

  • 再調達価格(1㎡あたり)/法定耐用年数の目安

  • 木造 14万前後/22年
  • 軽量鉄骨造 15万前後/19~27年
  • 鉄骨造 17万前後/34年
  • RC造 20万前後/47年 
  • 路線価とは

    路線価とは毎年7月に国税庁が公表する相続税・贈与税の計算基準になる㎡あたりの単価の事。
    公示価格の約80%。

  • 公示価格とは

    公示価格とは国土交通省が毎年3月に公示する標準地価格の事。

 

  • 固定資産税評価額とは

  • 区市町村が固定資産税を賦課するための基準となる評価額の事。


  • 公示価格の約70%

  • 路線価がない場合

  • 地方や郊外の物件で路線価がないエリアの場合は、近隣の公示価格や固定資産税評価額を路線価の代用に使う場合があります。


  • 積算評価額は道路に面している正方形に近い形状に当てはめています。

  • 角地では建蔽率が緩和されたり採光が良好等の理由から増額補正される場合があります。

  • 逆にウナギの寝床みたいな土地や旗竿地(敷地延長の土地)等は建築に制約を受ける理由により減額補正される場合があります。
  • なぜ積算評価を重要視されるのか?

    銀行から見れば積算評価が担保価値となるためであり、買主から見れば融資額に係るからです。

  • 積算が高ければ良い物件か?

  • 積算が高ければ高い程良いかというと一概に言えない様です。
  • 積算評価額が高いほど利回りは落ちますし、評価が高い分固定資産税も増えるという側面もあります。
  • また積算価格と実勢価格はリンクしません。

  • 実勢価格は将来性や売買の需要で決まるものですが、積算価格はその辺りが計算に含まれておりません。
  • 以前田舎エリアの物件で積算評価額が売価よりもかなり上待った物件が出てました。

  • お問い合わせは多かったのですが、そこのエリアの賃貸需要が低く、入居率が悪かった事、また店舗、事務所の複合物件でありながら
    その店舗、事務所の稼働率も非常に悪い物件でしたため、その収益面から銀行の評価が厳しいといったケースもありました。

  • よって積算価格とは、あくまで建築費用と土地値から現在の不動産の価値を求めるものと理解出来ます。


  |